マイストーリー

祖父は、京都の古刹で若い頃から本格的な寺修行を積みました。
朝の勤行から始まり、厳しい坐禅や作務、読経の毎日。
仏教の教えを体で学びながら、寺の伝統を守る覚悟を固めていったそうです。
修行を終えた後、故郷に戻り、住職として寺を運営し、引退するまで数十年にわたり地域の人々の心の拠り所として寺を守り続けました。
法要、年中行事、近所のお年寄りとの何気ない会話——すべてを大切に、静かで温かい寺の日常を紡いでいました。

その祖父の背中を、幼い私はいつもそばで見ていました。
だからこそ、私の心には自然と「寺社仏閣巡り」という旅が根付いたのです。
幼少期から休みのたびに、祖父に連れられて京都の寺院を巡り、
やがて一人で全国の神社仏閣を訪れるようになりました。
奈良の古寺、伊勢の神宮、出雲大社、沖縄の琉球風の社……
日本中を旅しながら、各地の歴史や信仰の違いに触れ、
「この国は、こんなにも豊かな祈りの風景に満ちている」と実感するようになりました。

そして、もう一つ、私の原体験となったのが「蔵の中」でした。
祖父の寺には古い土蔵があり、幼い頃から「入って良いぞ」と言われて、
埃っぽい暗闇の奥へ踏み込むのが大好きでした。
そこには、江戸時代から受け継がれた骨董品、
古い仏具、掛け軸、時には刀剣や武具までが静かに眠っていました。
祖父が一つ一つ手に取りながら語ってくれる物語に、
私は胸を高鳴らせながら耳を傾けました。
「これは戦国時代に使われたものだ」「これは先代の住職が大切にしていたものだ」——
蔵の中は、ただの物置ではなく、時間そのものが詰まった宝箱だったのです。

そんな幼少期の体験が、私の人生を形作りました。
成長してからも、寺社仏閣を巡る旅は続き、
同時に「蔵の中の宝物」を次の世代へ繋ぎたいという想いが強くなりました。
多くの古い家や寺で、持ち主の高齢化や相続で「蔵仕舞い」が必要になる現実を知り、
ただ捨てられる運命にある大切な品々を、
丁寧に扱い、価値を見出し、新たな持ち主へ届ける仕事にしたい——
それが、ninja3588を立ち上げた理由です。

今も私は、クライアントの方々と一緒に蔵を開け、
一つひとつの品に宿る「思い」を聞きながら仕事をしています。
祖父が教えてくれた「大切なものを大切にする」という気持ちを、
これからも全国の寺社仏閣を巡りながら、
そして蔵の中を旅しながら、形にしていきたいと思っています。

——これが、私のストーリーです。
もしあなたも、ご自身の蔵や大切な品々の物語をお持ちでしたら、
ぜひお聞かせください。一緒に次の章を紡ぎましょう。